電子カルテやレセコンでIDを発行されていない患者さんのデータは、通常システムにはありません。例えば、入院の可能性のある患者を紹介されてから入院が決定するまでの間の情報や、退院後にどの施設に行ってどの担当者とやりとりをするのか、といった情報は一般的に電子カルテには無い情報です。
本アプリは、そんな入退院患者の電子カルテには無い(けど必要な)情報を管理し、入院が決定したと同時に職員に必要な情報が共有されるシステムです。
他の施設から入院患者を紹介されたとき、地域連携室の職員が紙(もしくはExcelファイル等)に記録し、保管しているのではないでしょうか。
入院が決定した際には、各部署でその情報を伝達する必要が出てきますので、電話や口頭で伝えたり、Fax等で届いた保険証をコピーして各部署に渡しに回っているのではないでしょうか。
本アプリでは、入院が決定する前の患者さんの情報を登録して管理しておけば、入院が決定したと同時に院内スタッフに共有されますので、情報伝達のために各部署に紙を届けて回ったり電話して回る必要がなくなります。
入院時に職員間で共有が必要な情報には、例えば以下のようなものがあります。
- 患者の基本情報(氏名・生年月日・住所など)
- 緊急連絡先(キーパーソン)
- 診療情報提供書、保険証
その他にも
- ADL等の身体の状態
- 延命治療や有料個室の希望の有無確認
- 入院時(退院時)にご家族が付き添われるか
- 金銭関係の管理は誰がやっているか
といった情報の共有も必要になりますが、これらの中には電子カルテには一般的に記録されないようなものも含まれます。そもそも、IDが発行されていない患者さんのデータを電子カルテに記録することはできないでしょう。
また、緊急入院や緊急退院が発生したときには、LINE Woks等のコミュニケーションツールに自動で通知を送るような連携(API連携)をすることもできます。緊急性の高い情報共有こそがクラウドシステムの強みが発揮されるシーンです。各部署の職員がいち早く緊急入院や緊急退院が発生したことを知り、必要な情報を即座に確認することができますので、結果的に安定した質の高い医療を実現することができるようになるでしょう。